2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で、南果歩さんが演じる女性が深芳野(みよしの)です。
深芳野は、美濃の戦国大名・斎藤道三の側室として知られています。
女性であることと、自らの美しさを武器に戦国の世を生きた、強くも悲しい女性です。
この記事では、大河ドラマ『麒麟がくる』に登場する深芳野と、深芳野を演じる女優・南果歩さんについてまとめています。
深芳野とはどのような女性だったのか?
戦国時代、たとえ良い身分を与えられてはいても、女性である以上安定した場所で生き続けることが難しい時代。
今回取り上げる深芳野も、いかにこの世を生きていくべきかを問い続ける人生を歩んだ女性だったのではないでしょうか。
【キャストビジュアル公開】
深芳野(みよしの)
南 果歩#麒麟がくる pic.twitter.com/xOwFkxqy1b— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」初回1月19日(日)放送@NHK (@nhk_kirin) December 20, 2019
深芳野の出生
戦国時代に生きた多くの女性がそうであったように、深芳野(みよしの)の生い立ちもまた記録に残されておらず、出生や没年も不詳です。
深芳野の父親に関しても諸説あります。
『岐阜市史』では、父は稲葉通則であり、弟は西美濃三人衆と呼ばれた美濃斎藤家の有力家臣・稲葉一鉄(稲葉良通)と記されています。
そのほかに、深芳野の息子・斎藤義龍が、のちに一色氏(一色左京大夫)を名乗っていることから、父は一色義清(一色左京大夫義清)であり、母は一色義遠であるという説もあります。
しかしこの説は江戸時代に書かれた『美濃国諸旧記』が元となっていますので、信憑性に疑問が持たれています。
見た目はスーパーモデル級?!
美濃一の美女で、身長は六尺二寸(約187㎝)あったと言われています。
現代で言うスーパーモデル級ですね。
息子の斎藤義龍は6尺5寸(約195㎝)で、身長の高い武将としてたいへん有名です。
この身長は母親譲りだったといえますね。
土岐頼芸(とき よりのり)の愛妾
元は、美濃守護・土岐頼芸(とき よりのり)の愛妾でした。
愛妾(あいしょう)とは、お気に入りの妾(めかけ)のことです。
土岐頼芸は、代々美濃の守護を務める土岐氏の次男で、斎藤道三の主君でもありました。
斎藤道三と結託し、家督を争っていた兄の土岐頼武(ときよりたけ)を守護の座から追い落とすと、土岐氏の支配力は次第に弱まります。
のちに頼芸は、下剋上により斎藤道三に追い落とされることになります。
斎藤道三の側室
1526年12月頃、土岐氏の重臣だった長井新左衛門尉の子・長井規秀(のちの斎藤道三)に下贈され、側室になります。
下贈(かし)とは、身分の高い者が身分の低いものに与えることを言います。
斎藤道三は、狡猾な軍略と政治手腕で守護代の地位を獲得します。
その後、土岐氏の内紛に乗じて美濃を牛耳るようになっていきます。
ちなみに、斎藤道三の正室は、明智光秀の叔母とされる小見の方(おみのかた)で、とても病弱な女性でした。
斎藤道三(引用:Wikipedia)
斎藤高政(義龍)の母
1527年6月10日(20歳の時との説あり)、豊太丸(のちの斎藤高政/義龍)を出産します。
深芳野が斎藤道三に下贈されて、まもなく出産したことから、斎藤高政は土岐頼芸の子だとする説もあります。
深芳野は子を宿している状態で、斎藤道三に与えられたのではというものですが、詳しくは不明です。
斎藤義龍 (引用:Wikipedia)
1542年、斎藤道三は主君・土岐頼芸を追放し、美濃の戦国大名となります。
成長した子の斎藤高政(義龍)は、斎藤道三との折り合いは悪く政策面でも衝突します。
二人の弟は道三の寵愛を受けますが、それでも道三はのちに高政に家督を譲ります。
ちなみに道三の三男である斎藤喜平次も深芳野の子であるという説もあります。
家督を譲りうけた高政でしたが、高政の意向に反して織田氏に近づく道三に憤ります。
そして高政は弟らを殺害し、父・斎藤道三に対し挙兵します。
1556年4月、道三と高政の間でおこった戦が長良川の戦いです。
この戦いで道三は討ち死に。明智城は落城されます。
深芳野の最期
深芳野の亡くなった年は不明です。
過去のドラマ作品で演じられた深芳野
- 『国盗り物語』(1973年)演:三田佳子
- 『戦国乱世の暴れん坊 齋藤道三 怒涛の天下取り』(1991年・テレビ朝日)演:秋吉久美子
- 新春ワイド時代劇『国盗り物語』演:鈴木杏樹
『麒麟がくる』深芳野役・南果歩さん
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— kahominami 南 果歩 (@kahominami) January 8, 2020
南果歩さんのプロフィール
- 生年月日:1964年1月20日
- 出身地:兵庫県尼崎市
- 身長:162㎝
- 血液型:A型
- 所属事務所:ホリエージェンシー
◆略歴◆
- 1984年 映画『伽?子のために』主役で芸能界デビュー
- 1985年 『五度半さん』のヒロイン役でテレビドラマ初出演
- 1986年 『ロミオとジュリエット』(演出:坂東玉三郎)でジュリエット役で舞台初出演
- 1989年 『夢見通りの人々』等で助演女優賞を受賞
- 2015年 『MASTERLESS』(アメリカ)で海外に進出
南果歩さん出演の大河ドラマ作品
- 『翔ぶが如く』(1990年大河)第1部 第2話~第8話 西郷 俊(隆盛の先妻)役
- 『元禄繚乱』(1999年)おまさ(大石内蔵助の愛妾)役
- 『麒麟がくる』(2020年大河)深芳野 役
まとめ
深芳野の子である斎藤高政(義龍)の父親はいったい誰なのか・・・
高政自身や斎藤道三にしてみれば重要なことだったに違いありません。
しかし深芳野にしてみれば、そこは問題ではありません。
大事なのは、我が子・高政が道三から家督を譲りうけること。
そのためには、なりふり構わず、時には女性であることすら武器にする毒めいた描かれ方もします。
時代は違えど子を想う母親の心だけは変りません。
『麒麟がくる』で描かれる戦国時代の女性たちはとても華やかです。
しかし、この時代に生き、高い身分を与えられた女性の性(さが)、深芳野にとってそれがどのように描かれるのかは一つの見どころではないかと思います。
今回深芳野を演じている南果歩さんは、数多くの映画・テレビで様々な役をこなすベテラン女優さんです。
(かつてはあの大河ドラマ主演俳優・渡辺謙さんの奥さんでしたね!)
戦国時代を生きる女性の光と影を、深芳野を通して見せてくれるにちがいありません。