2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』。
8月22日放送の第25回「篤太夫、帰国する」で、主人公渋沢栄一の見立養子となった平九郎が無念の最期をとげます・・・TT
この記事では、渋沢平九郎無念の最期と、大河ドラマ『青天を衝け』で平九郎を演じた俳優の岡田健史さんについてまとめています。
この記事の内容
渋沢平九郎という人
弘化4年(1847年)11月7日、武蔵国榛沢郡下手計村(現・埼玉県深谷市下手計)名主、尾高勝五郎保孝の末子として誕生します。
兄は新五郎(惇忠)、長七郎(弘忠)、姉の千代は渋沢栄一の妻となります。
長男の惇忠は農業を営む家業のかたわら、自宅に私塾を開き近郷の子弟に学問を教えており、渋沢栄一も門弟の一人でした。
平九郎も幼少期から学問・文芸に親しみ、10歳で神道無念流を学び始めます。
19歳になると剣術を人に教えるまでに上達します。
安政5年(1858年)、姉の千代と渋沢栄一が結婚すると、平九郎は栄一と義兄弟となります。
一方、京都に出奔していた栄一と成一郎は一橋慶喜の家臣となり、慶応2年(1866年)には慶喜の将軍就任に伴い幕臣となります。
そして翌慶応3年(1867年)、栄一は将軍の名代としてパリ万博へ出席する慶喜の弟・徳川昭武に随行し、フランスへ渡航します。
これにより平九郎の人生は一変。
栄一は、自分に万が一のことがあったときのため、平九郎を見立養子(相続人)とします。
幕臣である栄一の養子ということで、平九郎は武士の道に進むこととなります。
平九郎はフランスの栄一に手紙を送っていた!
平九郎が江戸での生活を始めた矢先、大政奉還の一方が届きます。
さらには王政復古の大号令、翌慶応4年(1868年)1月に鳥羽・伏見の戦い、徳川慶喜追討令と、平九郎は幕末の動乱に巻き込まれていくこととなります。
慶応4(1868)年1月、鳥羽伏見の戦いで、旧幕府軍が薩長を中心とする新政府軍に敗れたことで、平九郎はフランスにいる栄一に宛て手紙を送っています。
「御国の形成昨孟冬中より追々大変ニ相成、(省略)正月三日京坂の間ニ而薩長士其外と大戦争有之」
「上様御事御帰朝ニは不被成候哉 乍恐徳川氏の御大危急と奉存候」
栄一がフランスへ渡航してから約1年の間で様変わりした日本の状況、早急な徳川昭武の帰朝が必要であること、また、この手紙では幕臣の子としてこのような状況は心痛の至りであるとも述べています。
「御国事ニ乍恐周旋も被致候」
「実ニ臣子の身痛心の至ニ候」
彰義隊の分裂で結成された振武軍
慶喜の「大義を彰(あきら)かにする」として結成された彰義隊の頭取となったのは栄一の従兄の渋沢成一郎でした。
彰義隊には各地から脱藩兵が集まり、3000~4000人に膨れ上がったといいます。
しかし、5月15日の上野戦争において官軍の総攻撃を受ける前、彰義隊は内紛状態にありました。
仲間内での衝突を避けるため、成一郎とその同志は、4月28日には、田無村(東京都西東京市)に移ります。
このとき、彰義隊を脱退した兵士で結成されたのが「振武軍(しんぶぐん)」です。
成一郎はこの振武軍でも頭取を務めました。
振武軍は、官軍との戦いを埼玉県飯能に移します。
5月23日、川越城を出発した官軍による攻撃が始まります。
官軍には川越藩、岩城藩、忍藩の「武蔵三藩」からも多くの藩士が加わり、その数は3,500人。
それに対し、振武軍は1500人ほどと、勝敗は明らかでした。
この「飯能戦争」において、飯能村を含む民家などが焼失、飯能中心部が焼け野原となりました。
江戸城無血開城の裏で、埼玉県域においても犠牲者を多く出していたのです。
幕臣として使命を全うした渋沢平九郎の最期
慶応4年(1868)5月23日、官軍に敗れた平九郎が、顔振峠から黒山村へ下りてきた際に官軍の斥候隊と遭遇します。平九郎は孤軍奮闘の後、路傍の石に座して自決したと言われています。
当時黒山では、誰かも分からなかったこの青年隊士を、壮絶な最期を讃え「脱走の勇士様」(だっそ様)と祀っていました。
この兵士が振武軍頭取・尾高惇忠の弟であり渋沢栄一の養子である平九郎だと判明したのは、自決から10年後でした。享年22歳、無念の最期でした。。
「自刃岩」の傍の茱萸(ぐみ)は、平九郎の血の色を宿す実をつけるとして「平九郎ぐみ」と呼ばれています。
『青天を衝け』平九郎を演じる俳優・岡田健史さんとは?
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それでは、『青天を衝け』で、渋沢平九郎を演じた岡田健史さんについて・・・
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岡田健史さんプロフィール
生年月日:1999年5月12日(22歳)
出生地:福岡県
身長:180 cm
血液型:O型
職業:俳優
主な出演作品
ドラマ
『中学聖日記』(2018年TBS)
『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(2021年 日本テレビ)
『桜の塔』(2021年 テレビ朝日)
ほか
映画
『望み』(2020年)
『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』(2020年)
『新解釈・三國志』(2020年)
ほか
略歴
中学1年生のとき、芸能事務所スパイスパワーからスカウトされる。
当時は野球に没頭していたため、その後5年間に渡って断り続けた。
2017年、高校3年生の野球部引退後、演劇部の顧問の先生に誘われ、特攻隊員を演じ大会に出場する。
その後「役者になりたい」という気持ちが芽生え、自ら現事務所に電話をする。
2018年10月放送開始のテレビドラマ『中学聖日記』(TBS)で俳優デビュー。このドラマで、『週刊ザテレビジョン』主催第99回ドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞する。
2019年6月12日に1st写真集『鼓動』を発売。
2019年7月19日、福岡放送開局50周年記念スペシャルドラマ『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』でテレビドラマ初主演。
2020年、『弥生、三月-君を愛した30年-』で映画デビュー。同作を含む映画4作品が公開される。
2021年、NHK大河ドラマ『青天を衝け』に出演。
2021年3月19日、『弥生、三月-君を愛した30年-』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『望み』の3作品で第44回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。
まとめ
今回の大河ドラマ『青天を衝け』では、今注目の俳優・岡田健史さんが若くエネルギッシュな渋沢平九郎を演じています。
ドラマの中では、栄一の妹・ていとの関係も切ないです・・・
「命を削るというか、まさに命がけで演じることができたという手応えを感じています」(岡田さんコメント抜粋)
江戸城無血開城の裏側で、多くの若者の血が流された事実は、多くの物語やドラマで描かれます。
そのたびに胸が詰まる心境になりますが、渋沢平九郎の最期もその中の一つです。