思わぬ形で自費でオリンピックに参加することになってしまった金栗四三(中村勘九郎)。
現在でこそ日本のスポーツは、国や自治体、企業などのスポーンサーによって支えられていますが、このドラマでもわかるように初めは大変な苦労があったことがわかります。
それでも四三のために大金を工面してきた兄・実次(中村獅童)。
また、家族の理解を得られないままオリンピック出場を決めたもう一人の代表選手・三島弥彦(生田斗真)もいます。
それぞれの家族がどのようにして二人をオリンピックに送り出したのか、この第8話での見どころとなりそうです。
この記事では、『いだてん』第8回「敵は幾万」のあらすじをまとめています。
※ネタバレになりますのでご注意ください!
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大河ドラマ「いだてん」放送情報
「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」
第8回「敵は幾万」2月24日放送
- 放送:2019年1月6日より(全47回)
◆放送◆
日曜日【総合】夜8時【BSプレミアム】午後6時【BS4K】午前9時
◆再放送◆
土曜日【総合】午後1時5分日曜日【BS4K】午前8時 - 作:宮藤官九郎
- 音楽:大友良英
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第8回「敵は幾万」あらすじ(ネタバレ注意!)
兄がどのようにして金を工面したか
大金を持って上京した兄・実次(中村獅童)を、四三(中村勘九郎)は寄宿舎の食堂に招き入れました。
そして、千八百円もの大金をどうやって工面したのかを尋ねます。
実次はスヤ(綾瀬はるか)と共におとずれた池部家で、スヤの婚約者である池部重行に事情を話したと言います。
オリンピックはアマチュアの競技会だということ、
四三は日本代表選手として、真剣にマラソンに取り組んでいること。
しかし、国から遠征費が出ないため、費用は自腹となってしまうこと。
兄としては、田畑を売ってでも四三をストックホルムに行かせてやりたいのだと実次が熱弁を振るいます。
そこへ、重行の母・幾江(大竹しのぶ)が現れます。
幾江には、大事な田畑を手放してまで行かせてやりたいという実次の気持ちが分かりませんでした。
「どぎゃんしても行かにゃいかんとですか、それは」
「行かしてやりたかです!
十里を走った者だけが見ることのできる景色を、どうしても四三に見せてやりたかです」
そう語る実次に、幾江が出した提案は意外なものでした。
池部家が金栗家の田畑を千八百円で買い、それをタダで金栗家に貸すというのです。
それならば金栗家はこれまで通りの生活をしながら千八百円を手にすることができます。
実次とっては願ってもないありがたい申し出でした。
頭を下げる実次に、幾江は言います。
「あぁたを信用したわけじゃなか。
スヤさんばい。
こん人の頼みとあらば、力にならにゃいかん」
野口ら後援会の嬉しい申し出
実次には、ほかにも春野医師や玉名中学校の校長からの四三への餞別も託されていました。
話を聞き感激した四三は涙を浮かべ、実次から金を受け取ろうとしました。
するとそこに、野口(永山絢斗)、橋本、徳三宝、福田源蔵らが割って入ります。
彼らは自費でオリンピックに参加しなくてはならない四三のために、後援会を作っていました。
そして、全国の師範学校に遠征費の寄付を募り、なんと千五百円もの金を集めていたのです。
「さて、どぎゃんしますかね、お兄様」
嬉しいことではありますが、実次は慌ててしまいます。
「こっちは田畑を売ってこさえた千八百円、持って帰るわけにゃあいかんですたい」
「ばってん、こっちも、誰がいくら出したかも分からんし・・・」
福田は実次に、雑費として三百円だけ寄付をして残りは納めてほしいと言います。
最終的に、実次はこの提案を受け入れました。
こうして四三が気をもんでいた遠征費の問題は無事解決。
寄宿舎の面々から拍手喝采が起こり、四三は胸を熱くしました。
「ありがとうございます!
精一杯走ってきます!」
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兄の優しい喝!
翌日、四三と美川(勝地涼)は実次を浅草へと案内します。
凌雲閣の展望台から東京の景色を見下ろす実次と四三。
するとおもむろに四三は、オリンピックへの不安な思いを口にします。。
「兄上・・・俺ぁ、生きて帰れるとだろか?」
なにしろストックホルムまでは8200㎞、片道20日もかかるといいます。
もともと自分は丈夫になりたい一心で走り続けてきただけ。
それなのに、言葉も通じない異国に行くことになってしまった・・・。
そう語る四三を実次は叱り飛ばします。
「今さら弱音ば吐くな四三!
お前が行かんと後が続かん!
お前がそぎゃん弱虫やったら、百年後の韋駄天も弱虫ばい!」
続けて実次は優しく言い添えました。
「心配すんな、母ちゃんも俺も、みんな無事を祈っとるばい」
「うん、そぎゃんたいねえ」
そう言って四三は笑顔でうなずきました。
四三も気づいていない淡い恋心??
「ちょいと遊んでかなぁい?」
凌雲閣から出てきた実次に、客引きをしていた小梅(橋本愛)が声をかけてます。
しかし美川が一緒だと気づいた小梅は、そそくさと人ごみの中に消えていきました。
美川は慌ててその後を追っていきました。
実次と二人になると、四三が尋ねます。
「あ、あの、兄上・・・
金ば工面してくれた池部さんて・・・」
「春野先生んとこの娘さんの嫁ぎ先たい」
「ああ・・・やっぱり、スヤさんの・・・」
「スヤさんね、熊本戻ったらその足で祝言たい。
東京でお前に会うて言うたら、くれぐれもよろしゅうて言うとったばい」
二人は浅草の停車場に着きました。
実次は、見送りはここまででいいと言って市電に乗り込みました。
播磨屋の改造足袋
四三のストックホルム行きを前に、播磨屋の店主・黒坂辛作(ピエール瀧)は改良版の足袋を五足作ってくれていました。
「つま先と踵(かかと)だけ三枚重ねにしたよ、これなら軽いだろ」
それだけでなく辛作は、四三のユニフォームまで用意してくれていました。
「ありがとうございます!」
四三は辛作の優しさに触れ、喜びをかみしめました。
東京高師、四三の壮行会
出発の二日前。
寄宿舎では四三の壮行会が開かれました。
そこには嘉納治五郎(役所広司)も出席していました。
「この度の金栗君の遠征には、諸君らの多大なる後押しがあったと聞く。
その友情に惜しみない拍手を送りたい、ありがとう!」
三島弥彦の複雑な思い
四三の壮行会が行われている頃・・・
もう一人の代表選手である弥彦(生田斗真)は、天狗倶楽部の仲間たちの協力を得てグラウンドでトレーニングに励んでいました。
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帰宅した弥彦に、女中のシマ(杉咲花)が問いかけます。
「弥彦お坊ちゃま。
お、奥様には、いつお話しされるおつもりですか?」
弥彦はオリンピック出場を決めたことを、母・和歌子(白石加代子)に伝えていませんでした。
以前和歌子が、弥彦がオリンピックに出場するなら親子の縁を切るとまで言っていたことをシマは心配していたのです。
「余計なお世話だね。
話しても、話さなくても結果は同じさ」
弥彦はそう言い捨て、弥彦は自室に向かうのでした。
四三歌う!
四三は壮行会の締めくくりに挨拶をしていました。
その時、誰かが「歌え!」と言い笑いが起きます。
四三が音痴なのを分かっていて、からかっただけでした。
ところが四三は「一曲歌う」と言い出します。
「音痴ば克服せんと、ある人の教えてくれた歌です!
気分のよかけん、歌います」
四三は、スヤが教えてくれた「自転車節」を歌います。
「♪会いたかばってん 会われんたい
♪たった一目でよかばってん
♪あの山一丁越すとしゃが
♪彦しゃんのおらす村ばってん」
折しもこの日は、スヤの嫁入りの日でした。
弥彦を見送る家族
明治45年5月16日、快晴の空の下。
洋行用に仕立てた背広に身を包んだ四三は、見送りの大行列を率いて徒歩で新橋駅に向かいます。
新橋駅前広場に着くと黒山の人だかりができていました。
そこに大森兵蔵監督(竹野内豊)と安仁子夫人(シャーロット・ケイト・フォックス)、続いて治五郎も到着します。
最後に弥彦が三島家の高級車に乗って現れ、女性たちの黄色い声援で迎えられました。
四三たちは一等寝台車に乗り込みます。
駅のホームには人々が詰めかけ、日の丸が振られ万歳の声が響きわたります。
その時、人波をかき分けてシマがやってきます。
「お待ちください!
道を開けてください!」
その声を聞き驚いた弥彦は、窓から顔を出します。
すると、シマの後からは弥太郎が、そして杖をついた和歌子が来ていました。
「弥彦、母上にちゃんと挨拶せんか!」
弥太郎に促され、弥彦が口を開きます。
「母上、弥彦は精一杯、戦ってきます!」
「当り前じゃ、おまんさぁは三島家ん誇りなんじゃから」
和歌子は持っていた風呂敷包みを、窓越しに弥彦に渡します。
中には、和歌子が自ら日章旗を縫い付けた純白のユニフォームが入っていました。
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え!?嘉納先生は?
その後、四三と弥彦は、車内で記者たちから取材を受けます。
余裕綽綽(しゃくしゃく)の態度の弥彦。
それとは対照的に、四三は緊張で固くなり記者たちの問いかけすべてに「はい」と答えることしかできませんでした。
取材が終わると、四三は車内に野口と橋本、可児(古舘寛治)が乗っていることに気付きます。
野口たちは、人が多すぎて新橋ではきちんと見送れなかったので思わず乗り込んだと言います。
仲間の見送りを喜ぶ四三。
しかし、不意に治五郎の姿が見えないことに気付きます。
四三は尋ねます。
「嘉納先生は、どこに乗っておられますか?」
「乗ってないよ」
可児の返答に、四三は仰天します。
まとめ
時代を先行く痛快男子、三島弥彦。
名家の家柄で頭もよく、スポーツは万能。
当時はアイドル並みのスターだったようです。
そんな弥彦も、ドラマの中では家族に対しては唯一暗い一面を持っていました。
それは名家であるが故の苦悩ですね。
しかし、どんな家柄であろうとどんな鬼母であろうと、子どもへの愛情は変わるものではありませんね。
中村獅童さん演じる四三の兄・実次もそうですが、白石加代子さん演じる弥彦の母・和歌子が家族を想って泣くシーンも、普段とのギャップがあるだけに感動します^^
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