大河ドラマを印象付けるオープニングテーマ曲は、年月を経ても色褪せることなく心に残り続けるものです。
この記事では、そんな大河ドラマの歴代オープニングテーマ曲を紹介していきたいと思います!
第一弾は、1989年以降に放送された「戦国から江戸初期」を舞台に描かれた大河ドラマ特集。
また、音楽を手掛けている有名音楽家にも注目してみてくださいね。
この記事の内容
- 1 第25作 独眼竜政宗(1987年)
- 2 第26作 武田信玄(1988年)
- 3 第27作 春日局(1989年)
- 4 第30作 信長 KING OF ZIPANGU(1992年)
- 5 第31作 琉球の風(1993年)
- 6 第35作 秀吉(1996年)
- 7 第36作 毛利元就(1997年)
- 8 第39作 葵 徳川三代(2000年)
- 9 第41作 利家とまつ~加賀百万石物語~(2002年)
- 10 第45作 功名が辻(2006年)
- 11 第46回 風林火山(2007年)
- 12 第48作 天地人(2009年)
- 13 第50作 江~姫たちの戦国~(2011年)
- 14 第53作 軍師官兵衛(2014年)
- 15 第55作 真田丸(2016年)
- 16 第56作 おんな城主 直虎(2017年)
- 17 まとめ
第25作 独眼竜政宗(1987年)
仙台藩62万石の礎を一代で築いた奥州の戦国武将・伊達政宗の生涯を描いた作品です。
平均視聴率39.7%というモンスター的な数字は、大河ドラマの歴代トップです!!!
- 脚本:ジェームス三木
- 原作:山岡荘八『伊達政宗』
- 主演:渡辺謙(伊達政宗)
- 音楽:池辺晋一郎
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
これまでのオープニングテーマ曲は風景などの短銃な映像が中心でした。
しかし今作では、兜を着用し馬に乗る渡辺謙さんの登場はもとより、レーザー光線や合成といった特使効果を駆使し、これまでの大河ドラマの常識を変えた作品となりました。
注目はオンド・マルトノですね。(映像参照)
独特な雰囲気と重厚で壮大な曲調になっています。
第26作 武田信玄(1988年)
風林火山を旗印に、信頼で築き上げた強固な騎馬軍団を武器にした戦の名手・武田信玄の生涯を描いた作品。
- 脚本:田向正健
- 原作:新田次郎(「武田信玄」より 文藝春秋刊)
- 主演:中井貴一(武田信玄)
- 音楽:山本直純
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
前作の独眼竜政宗からの流れで、戦国時代が続きましたね。
戦国好きにとってはたまらなかったでしょうね~~~!
第27作 春日局(1989年)
戦国の乱世を生き抜き、その器量を徳川家康に見込まれた女性・春日局。
あの大奥を取り仕切り、3代将軍徳川家光の乳母を任された女性・春日局の生涯を描いています。
- 原作・脚本:橋田壽賀子
- 主演:大原麗子(春日局)
- 音楽:坂田晃一
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
なんと!
「独眼竜政宗」「武田信玄」に続き、広い意味での戦国ものが3年続きました!
しかも平均視聴率32.4%と、大河ドラマの歴代3位を記録しています!
第30作 信長 KING OF ZIPANGU(1992年)
ポルトガル人の宣教師ルイス・フロイスの視点からという設定で織田信長を描いた作品です。
- 原作・脚本:田向正健
- 主演:緒形拳(織田信長)
- 音楽:毛利蔵人
- 作詞:田向正健
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
今でこそ普通にコーラスや歌声が入っていますが、大河ドラマに歌詞のあるオープニングが起用されたのは今作が初めてです。
第31作 琉球の風(1993年)
16世紀末〜17世紀初頭、琉球王国が薩摩藩島津氏により支配されていく時代の人々を描いたドラマです。
大河ドラマの中では唯一、半年間の作品でした。
- 脚本:山田信夫、水谷龍二
- 原作:陳舜臣
- 主演:東山紀之(啓泰(けいたい))
- 主題歌:『階(きざはし)』
- 挿入歌:『バサラ』
- 作詞・作曲・歌:谷村新司、編曲:星勝
オープニングテーマも希有な作品がこちらです。
演奏はNHK交響楽団ではなく、谷村新司さんのポップス曲なのです!
今でこそ歌が入っているオープニング曲は数々ありますが、このように最初から最後まで歌詞のある、いわば歌がメインのテーマ曲は今のところこの作品だけです!
第35作 秀吉(1996年)
1965年の「太閤記」以降、32年ぶりに豊臣秀吉が主人公となった大河ドラマです。
平均視聴率30.5%、最高視聴率は37.4%と高視聴率を記録。
竹中直人さん演じる豊臣秀吉の決め台詞「心配御無用!」は、その年の流行語となりました。
- 脚本:竹山洋
- 原作:堺屋太一(「秀吉~夢を超えた男~」「鬼と人と」「豊臣秀長」より)
- 主演:竹中直人(豊臣秀吉)
- 音楽:小六禮次郎
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
トランペットがかっこいいオープニングテーマ曲です。
秀吉の栄華を表すきらびやかな映像から、最後は城が崩れ畑が出現するなど、秀吉の生涯を映像に表したテーマ曲です。
第36作 毛利元就(1997年)
毛利元就生誕500年を記念して製作されたドラマです。
- 脚本:内舘牧子
- 原作:永井路子(「山霧」「元就、そして女たち」より)
- 主演:中村橋之助(毛利元就)
- 音楽:渡辺俊幸
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
題字は、毛利元就自身の自筆書状のものを使用しています
題材となる実在人物の書状が使用されたのは、今のところこの作品だけです。
スタッフにも「題字 毛利元就」という記載が!
第39作 葵 徳川三代(2000年)
江戸幕府を樹立した徳川家康・秀忠・家光の3代の治世を、関ヶ原の戦い、豊臣政権の消滅・朝廷との関係、徳川幕府の成立の過程を中心に描かれています。
- 原作:脚本・題字:ジェームス三木
- 主演:津川雅彦(徳川家康)、徳川秀忠(西田敏行)、徳川家光(尾上辰之助)
- 音楽:岩代太郎
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
オープニング映像は、春夏秋冬といった時の流れ表現するものとなっています。
群馬県利根郡利根村(現・沼田市)の吹割の滝、奈良県宇陀市の瀧桜、日光東照宮などの風景が使われています。
第41作 利家とまつ~加賀百万石物語~(2002年)
織田信長と豊臣秀吉に仕えて加賀藩主前田家の祖となった前田利家と、その妻・まつを中心に、「戦国最強のホームドラマ」と銘打たれました。
- 原作・脚本・題字:竹山洋
- 主演:唐沢寿明(前田利家)、松嶋菜々子(まつ)
- 音楽:渡辺俊幸
- 演奏:オーケストラ・アンサンブル金沢
オープニングテーマには、加賀藩ゆかりの金沢市に本拠を置くオーケストラ・アンサンブル金沢が起用されました。
第45作 功名が辻(2006年)
原作は司馬遼太郎の同名小説です。
司馬作品が大河ドラマとなるのはなんと6作目。
主人公である千代とその夫・山内一豊の生涯を描いています。
- 原作:司馬遼太郎(『功名が辻』)
- 脚本:大石静
- 音楽:小六禮次郎
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
音楽担当は1996年『秀吉』と同じ小六禮次郎さんです。
オーケストラとドラムサウンドが新鮮!かっこいい曲です!
オープニングテーマのコンセプト・・・
「夫婦の絆を意味する一本の糸が複雑にさまざまに変化し、その移り変わりの背景に、色々な素材が登場しては消えて行く。その流れが、夫婦の絆と、それを取り巻く事象を意味している」
第46回 風林火山(2007年)
原作は、井上靖が1950年代初頭に執筆した同名小説『風林火山』。
井上作品の大河ドラマ化は初めてです。
武田信玄(晴信)の軍師・山本勘助の生涯を描いています。
- 原作:井上靖(『風林火山』より 新潮社刊)
- 脚本:大森寿美男
- 主演:内野聖陽(山本勘助)
- 音楽:千住明(本作にも出演)
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
千住明氏が手がけたこの勇壮かつ重厚なオープニングテーマは、大河史上でも傑作の評が高く、いまだに民放やCMなどでしばしば使われています。
ちなみにオープニングタイトルの冒頭部分で、風林火山の句は主演の内野聖陽の朗読です!
鳥肌ものです!
第48作 天地人(2009年)
原作は、火坂雅志(新潟市出身)の同名小説です。
主人公は上杉景勝に仕えた上杉家の家老・直江兼続。
ひたすら利のみを求める戦国時代に、「愛」を重んじ「義」を貫き通した兼続の生涯を描いています。
- 原作:火坂雅志『天地人』(NHK出版刊)
- 脚本:小松江里子、松下和惠
- 主演:妻夫木聡(直江兼続)
- 音楽:大島ミチル
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
「ザ・戦国」といった壮大なオープニングですね!
音楽を担当した大島ミチルさんは、子どもの頃大河ドラマ『国盗り物語』の音楽が大好きで、エレクトーンでいつも弾いていたといいます。
天地人で音楽を担当するようになり、子どもたちが「あの曲弾きたいな」といってくれるような音楽を書きたいと話していました。
吹奏楽やオーケストラでも、とても人気の高い曲です。
第50作 江~姫たちの戦国~(2011年)
江戸幕府第2代将軍・徳川秀忠の正室・江の、壮絶で波乱万丈な生涯を描いています。
- 原作・脚本:田渕久美子
- 主演:上野樹里(江)
- 音楽:吉俣良
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
原作・脚本と同じく、音楽を担当しているのも「篤姫」を同じ吉俣良さんです。
というわけで、「篤姫」とよく似ている印象ですが、どちらも響きます^^。
主人公が女性ということもあり綺麗なメロディーではじまりますが、中盤の激しい部分ではそれぞれ波乱万丈な人生を表現しているように感じます。
第53作 軍師官兵衛(2014年)
九州・福岡藩52万石の礎を築いた人物で、「天才軍師」として豊臣秀吉に仕えた黒田官兵衛の生涯を描いています。
- 作:前川洋一
- 主演:岡田准一(黒田官兵衛)
- 音楽:菅野祐悟
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
重要人物である豊臣秀吉に、かつて「秀吉」で主演した竹中直人さんが抜擢されたのも当時話題になりましたね。
岡田准一さんの迫力のある演技を、多く世に知らしめた作品になったのでは?
菅野祐悟さんの洗練された美しい音楽は感動しました!
第55作 真田丸(2016年)
「真田丸」は大坂の陣で信繁(真田幸村)が築いたと言われる出城「真田丸」に由来しています。
また信濃国の豪族・真田家を「戦国の荒波に立ち向かう一艘の船」に例えた掛詞としているそうです。
作:三谷幸喜
主演:堺雅人(真田信繁)
音楽:服部隆之
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
ソロヴァイオリン:三浦文彰
なんといってもヴァイオリン!!!
最初から最後までず~とヴァイオリン!
三浦文彰さんのヴァイオリンに見入ってしまいます!素晴らしい!
第56作 おんな城主 直虎(2017年)
戦国時代、のちに徳川四天王の一人となる井伊直政を育てた井伊谷の女領主・井伊直虎の生涯を描いた作品です。
- 作:森下佳子
- 主演:柴咲コウ(井伊直虎)
- 音楽:菅野よう子
- テーマ音楽指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
- ピアノ演奏:ラン・ラン
2年連続で戦国時代が続きましたね。
真田丸の勇猛さもありながら、躍動感があり女性から見た戦国時代のイメージが沸く、そんなオープニングテーマだと思います。
まとめ
大河ドラマ歴代オープニングテーマ【戦国~江戸初期編】をまとめてきました。
戦国時代らしく、勇猛的で熱いオープングテーマばかり!
懐かしい曲でも、改めて聞くと印象的なシーンが鮮明に思い出されて胸が熱くなります!
個人的には「風林火山」は気持ちが高揚します!
そして、仕事に集中できない時に聴いて気持ちを盛り上げています(おすすめ)。
想像するに大河ドラマのオープニングテーマって、その時代に第一線で活躍している人気音楽家が、プレッシャーを感じながら最高な音楽を生み出そうとするわけですから、素晴らしい名曲になるに決まってますね!
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