2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」。
知られざる日本のオリンピックの歴史を舞台にした、大河ドラマとしては実に33年ぶりの近代史です。
明治から昭和にかけての時代の移り変わりを、ビートたけしさん演じる落語家・古今亭志ん生と、森山未来さん演じる若き日の志ん生(美濃部孝蔵)の、ユーモア溢れる語りとともに物語は進んでいきます。
実にテンポよく進んでいくので、しっかりついていきましょう^^;
このドラマの注目ポイントはたくさんありますが、ぜひ注目してほしいのが衣装です。
特に、綾瀬はるかさん、山本美月さんといった女性陣が演じる登場人物の衣装はとても華やか!
明治から昭和初期の洗練されたファッションは、今見てもとてもお洒落です♪
この記事では、大河ドラマ「いだてん」の衣装のポイントと、衣装デザインを手掛けた宮本まさ江さんについてまとめています。
【関連記事】再放送&動画配信情報はこちら。
☞【いだてん】再放送&見逃したときの超おすすめ動画配信サービス視聴方法!
衣装に注目したい女性登場人物
それでは、特に衣装に注目したい「いだてん」の女性の登場人物を紹介していきますね。
三島家の女中・シマ 杉咲 花
「いだてん」第1話で、早速登場している三島家に仕える女中・シマ。
生田斗真さん演じる三島弥彦の良き理解者です。
このシマも、オリンピックに挑む金栗四三や三島弥彦の姿に憧れ、この時代には理解されていなかった女性のスポーツ参加に大きく貢献していきます。
そんな杉咲花さん演じるシマがこちら・・・
若い女性らしく、ピンクを配色した可愛らしい着物姿ですね。
髪につけた大きなリボンは、洋装を取り入れたもの。
この頃は女性の洋装にはまだ抵抗があった時代。
女性がまだ先に立つ時代ではありませんでしたし、西洋のドレスが高価だったことも理由に上げられるかもしれません。
このシマは三島家の女中ですから控えめに。
それでもせめて流行の先端でリボンは取り入れたい、といったところでしょうか。
着物の柄には、当時流行ったストライプやチェックも使われています。
そして髪型もポイント!
玉ねぎのように丸くボリュームつけた髪型は、明治時代に見られた髪型です。
シマだけではなく、この先に登場する大竹しのぶさん演じる四三の養母や、四三の母を演じる宮崎美子さんの髪型も前髪に大きくボリュームを持たせてます。
是非注目してみてくださいね。
四三の妻・スヤ 綾瀬はるか
綾瀬はるかさんが演じるが、のちに金栗四三の妻となる春野スヤです。
春野スヤはもともと医者の娘。
村ではいちばんのハイカラなお嬢様です。
70年代を知る世代であれば、人気漫画「はいからさんが通る」を思い浮かべる方も多いでしょう。
まさしくあの時代の衣装を見られるのが、この春野スヤです。
綾瀬はるか、6年ぶり大河で歌唱シーンも ポジティブな女性像に共感 #いだてん https://t.co/MWOZZPjti0
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2018年12月31日
今回のドラマの中で出てくるかわかりませんが、この時代の代表的なものに矢絣(やがすり)と呼ばれる矢羽を図案化した文様があります。
明治から大正にかけ、矢絣のお召(おめし)と海老茶色の袴を組み合わせた衣装が女学生の間で大流行。
現在でも大学の卒業式などに、袴とあわせる着物の柄として人気ですよね。
「いだてん」のスヤの衣装の柄も、矢絣を意識しているのではと思われます。
池部家の写真(左:スヤ 右:四三)
この家族写真、左に立っているのが春野スヤ本人です。
この写真はハイカラさんのイメージではありませんが、髪型はやっぱり玉ねぎヘアですね^^
かなりお洒落な人だったのではと想像できます。
記者・本庄 山本美月
一際ハイセンスな女性が!
山本美月さんが演じるのが、当時はまだ珍しかった女性記者・本庄です。
華やかな美貌を持ちながら、男性のような口調で話します。
スポーツや天狗倶楽部の活動にも関心を持ち、ストックホルムオリンピックに出場する金栗四三や三島弥彦を熱心に取材します。
記者・本庄の衣装は、太ボーダー、ストライプのパンツスーツ、赤いコートなど、時代の最先端をいくファッショナブルな衣装ばかり。
帽子やバックなど、当時の女性がまだ身に着けてないアイテムも取り入れています。
髪型もハイセンス!
コシノ三姉妹ではありませんか!
本庄というキャラクターの衣装は、この先もいちばんの注目ポイントです!
兵蔵の妻・大森安仁子 シャーロット・ケイト・フォックス
竹野内豊さん演じる日本選手団の監督・大森兵蔵の妻・安仁子を演じているのがシャーロット・ケイト・フォックスさんです。
役名は大森安仁子ですがアメリカ人。
画家として活動していましたが、兵蔵と大恋愛の末に国際結婚をします。
オリンピックに出場する金栗四三、三島弥彦にテーブルマナーなどを指南。
のちには児童福祉施設「有隣園」を設立します。
こちらが大森安仁子の衣装です。
1800年代後半、臀部のふくらみを強調したバッスル・スタイルが流行しました。
この安仁子のこの衣装は、この時代を意識しているようです。
日本に洋服が持ち込まれたのもこの時期です。
1900年代に入ると、女性の服装も動きやすく実用的になります。
1910年代には、逆に日本の和服など東洋文化に影響を受けた細い裾を持ち筒状のホッブル・シルエットが流行しました。
ホッブルスカート(引用:Wikipedia)
五りんの彼女・知恵 川栄李奈
今まで紹介した登場人物から変わって、川栄李奈さんが演じているのは昭和30年代の女性です。
古今亭志ん生(ビートたけし)の弟子・五りん(神木隆之介)の彼女・知恵です。
この衣装やアクセサリーの中には、今回衣装デザインを手掛けた宮本さんの私物コレクションもたくさん出てくるそうです!
宮本さん自身がデザインしたものはもちろん、古着屋で買い付けたものも。
昭和30年代のテイストがかわいい知恵の衣装にも注目です!
衣装デザインは宮本まさ江さん!
「いだてん」の衣装を全面的に手掛けているのが、衣装デザイナーの宮本まさ江さんです。
作品の時代にできるだけ合った衣装にするのが基本・・・と語る宮本さんは、これまで数々の映画やドラマの衣装を手掛けています。
映画がルーツ⁉宮本さんの経歴とは?
宮本さんが手掛けた映画は数知れず・・・
なぜ映画が多いのかというと、その秘密は彼女の経歴にありました。
もともと岩波映画で経理の仕事をしていた宮本さんでしたが、次第に映画の仕事に興味を持っていきます。
そして1985年、第一衣裳に就職。
衣装のスタイリストになります。
もともと実家が洋服店だった事が大きく影響しているようですね。
さらに1988年、フリーに転身。
そこからというもの、かつて自分が携わった映画界の衣装を手掛けるようになります。
大作映画から独立系映画まで、実にたくさんの映画のスタイリストや衣装やデザインを担当しています。
宮本さんの映画への情熱はこれだけではありません。
1998年には下北沢に映画館「シネマ下北沢」をオープン。
自ら支配人を務めます。
2000年、市川準監督の映画『ざわざわ下北沢』をプロデュース。
そして2013年、第36回日本アカデミー賞にて「協会特別賞」を受賞しました!
衣装で日本アカデミー賞協会特別賞受賞!
日本アカデミー賞協会特別賞とは、映画製作の現場を支える様々な職能に従事する人たちの栄誉を称えるものです。
その中で宮本さんは2013年「衣装」部門として受賞されました。
監督の演出意図と俳優の心情を衣裳によって結びつける仕事ぶりは製作現場の原動力となっている。衣裳を通じて映画製作を支えてきた功績に対して。
(引用:日本アカデミー賞公式サイト)
宮本さんが衣装を手掛けた作品の一例がこちら・・・
◆映画◆
- 世界の中心で、愛をさけぶ(2004年)
- 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~(2007年)
- ゲゲゲの女房(2010年)
- 源氏物語 千年の謎(2011年)
- 関ヶ原(2017年)
- 火花(2017年)
- 検察側の罪人(2018年)
- 日日是好日(2018年) ほか
◆ドラマ◆
- 恋(2013年、TBS)
- 64(ロクヨン)(2015年、NHK)
- トットてれび(2016年、NHK)
- 半分、青い。(2018年、NHK) ※監修 ほか
でもこれは極々ほんの一部。
映画だけでも200本以上!
2018年だけでも14本の映画の衣装デザインと、ドラマ1本の監修を手掛けているのだから驚きです!
まとめ
大河ドラマでの近代史は、1986年に放送された「いのち」(橋田壽賀子脚本・三田佳子主演)以来、33年ぶり。
とはいえ、戦国・幕末といった時代背景が好きな大河ファンにとっては、若干期待度が低いというのも納得いくところではあります^^;
ただ、東京オリンピックを翌年に控え、日本の知られざるスポーツの歴史に深く触れことができるのも大河ドラマならでは。
そしてなんといっても今回の「いだてん」の脚本は宮藤官九郎さん!
ここも大きな期待要素です。
さらにセットやストックホルムでの海外ロケは、大河ドラマだからこそのスケールの大きさです!
衣装も今回紹介した通り、時代に合わせてたくさん登場します!
是非注目してみてくださいね。
【関連記事】
☞【いだてん】ロケ地|海外ロケでストックホルムオリンピックを再現!
☞【いだてん】再放送&見逃したときの超おすすめ動画配信サービス視聴方法!