2020年NHK大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』・・・
さて、このタイトル『麒麟がくる』ですが、最初に聞いて多くの方はこう思ったに違いありません。
「キリン?・・・明智光秀とキリンってどんな関係あるの?」
まず、『麒麟』とは動物のキリンではありません。
(まったく無関係ではありませんが・・・これは後ほど)
『麒麟』は、中国神話に現れる伝説上の霊獣です。
こう聞くと難しく感じますが、この『麒麟』我々には実になじみ深いものです。
この記事では、2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』のタイトルに込められた意味をまとめていきますね。
\『麒麟がくる』1話から一気見!/
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2020年大河ドラマ『麒麟がくる』放送情報
NHK大河ドラマ第59作
- 放送:2020年1月~
- 脚本:池端俊策(第29作「太平記」ほか)によるオリジナル脚本
- 主演:長谷川博己
- 制作統括:落合将
- 演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
- プロデューサー:藤並英樹
物語
大河ドラマでは初めてとなる智将・明智光秀が主人公です。
謎多き戦国武将・明智光秀を主人公に、織田信長、斎藤道三、今川義元、豊臣秀吉、徳川家康などの英傑たちが天下を狙って争う姿が描かれます。
応仁の乱後、世は乱れ、無秩序状態の中で、天下を統一し、乱世をおさめようとする戦国の英雄たちが登場しはじめる。
1540年代なかば、東西の要衝たる美濃の地に、一人の若き虎がいた。名は明智十兵衛光秀。一介の牢人である青年光秀の胸の奥にはまだ自分でも気づかぬ静かな炎が燃えていた。
当時、美濃を治める土岐氏一族は内紛にことかかなかった。周囲を尾張の織田、駿河の今川、越前の朝倉に囲まれ、常に攻め込まれる危険を抱えた美濃で、若き虎は戦に駆り出されては、敵を撃破、その勇猛果敢な働きと戦略的才能は、土岐家の筆頭家臣、斎藤利政の目にとまり、利政に抜擢されていく。その利政こそ、いずれ土岐家をのっとり、美濃を手中におさめる「斎藤道三」その人であった…。
(引用:NHK公式サイト)
『麒麟』とは?
『麒麟(きりん)』(qilin チーリン)とは、中国の神話に登場する伝説上の霊獣です。
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の製作発表では、『麒麟(きりん)』とは、王が仁のある政治を行う時に、頭上に現れるとされる中国の伝説の霊獣であると解説されています。
鳥類の長『鳳凰(ほうおう)』は有名ですが、麒麟は獣類の長として、しばしば鳳凰と対(つい)で扱われることがあります。
とはいえ諸説あり、麒麟と対応するのは鳳凰から生まれた鸞鳥であるとも言われています。
麒麟の姿形
麒麟の姿は鹿に似ていて背丈は5mとかなり大きめ。
そして顔は龍に似ていて、牛の尾と馬の蹄を持っています。
基本的には一本角ですが、二本角、三本角、または角が無いといった姿で描かれる例もあるようです。
全体の毛は黄色く、鱗で覆われています。
さらに背毛は五色に彩られています。
三才図会に描かれた麒麟(明時代・1609年)
(引用:Wikipedia)
やさしい性質
麒麟の普段の性質は非常に穏やかで優しいとされています。
そのやさしさたるや、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌っているそうです。
動物のキリンとの関係
鄭和艦隊が持ち帰ったキリン
(引用:Wikipedia)
動物のキリンも、まったくの無関係ではありません。
中国では想像上の獣・麒麟を、qilin( チーリン)と言います。
日本では、この『麒麟』に似ていることから、実在の動物であるキリンも「キリン」と呼ぶようになりました。
室町時代、中国では明の鄭和による南海遠征で、アフリカ東岸諸国から実在動物のキリンをはじめ、ライオン・ヒョウ・ダチョウ・シマウマ・サイなどが運び込まれ、永楽帝に献上されました。
永楽帝はとくにキリンを気に入ったそうで、その姿が伝説の獣『麒麟』に姿が似ていたことや、現地のソマリ語で「首の長い草食動物」を意味する「ゲリ」の音に似ていたことから、“実在の麒麟”として珍重したとも言われています。
ただしその信憑性は明らかではありません。
意外と身近な『麒麟』
中国の伝説の獣と聞くと、「???」と感じますが、実は昔から私たちの身近なところに麒麟はいます。
キリンビールのラベル
誰もが一度は目にしたことがある、キリンビールのラベルや缶。
そこに描かれているキャラクターが、まさしく麒麟です。
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まったくの余談ですが、あのキリンビールに描かれている麒麟の中に「キ」「リ」「ン」の文字が隠されています。
話のネタに是非探してみてくださいね。
日本橋の麒麟像
日本橋の麒麟像。
かっちょええなぁ✨#日本橋 #麒麟像 #アサキの実写真部 pic.twitter.com/VdoOLYMPqz— しげぽん (@shigeponpoco) 2018年10月20日
日本で知られているものに、東京都中央区の日本橋に建つ麒麟像があります。
日本橋が日本の道路の起点となることから、この麒麟像には「ここから飛び立つ」という意味が込められ翼が付けられています。
2019年の大河ドラマ『いだてん』(第6回)では、金栗四三(中村勘九郎)と若き日の古今亭志ん生である美濃部孝蔵(森山未来)が、盛大に花火が上がる中、日本橋を走って交差する名シーンがありましたね。
ここにもしっかり麒麟像が登場しています!
#いだてん 第6回をご覧いただきありがとうございました。#四三 と #孝蔵 、同じ時代を生きる二人が、お江戸日本橋で交差します🎆 pic.twitter.com/X8iDP4J863
— 大河ドラマ「いだてん」 (@nhk_td_idaten) 2019年2月10日
明智光秀と『麒麟』の関係
空想上の獣である『麒麟』の性格は、優しく殺生を嫌う霊獣とされています。
ここで、今まで強かった明智光秀のイメージ・・・信長を裏切った謀反人、三日天下といった悪いイメージから、実はやさしく、残虐な信長に正義を持って反逆した人物だったんだ・・・と想像しがちではありますが、どうやらそう簡単なことではないようで・・・
明智光秀 ≒ 麒麟
確かに少ない資料から読み取った最近の説によれば、光秀はかなりの智将で、ただの私怨で信長を討ったというかつてのイメージはすでにくつがえされています。
明智光秀が生きた時代、応仁の乱以来荒廃した世は、民は飢え、戦乱の苦しみにあえいでいました。
大河ドラマ『麒麟がくる』では、
「そんな苦しみから解放してくれる仁政を行う王とは誰なのか、
そして、その時がきたら必ず現れるという麒麟はいつ来るのか?」
こういった、麒麟の出現を待ちわびる時代として描かれるようです。
王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣、麒麟。
応仁の乱後の荒廃した世を立て直し、民を飢えや戦乱の苦しみから解放してくれるのは、誰なのか…
そして、麒麟はいつ、来るのか?
(引用:NHK公式サイト)
- この麒麟とは何者なのか?
- どのようにして、いったいどの英雄の前に現れるのか?
ここが最大の問いとなっているようです。
●脚本・池端俊策さんのコメント
「麒麟がくる」は、室町幕府という古い体制が崩れ、日本が近世近代へと駆け上がる前夜の混沌とした、しかし決然と前方を見据えた英雄たちが生き生きと走り抜けた時代だと思います。
そのど真ん中を走った光秀の新鮮な視点で、当時の英雄たちを、そしてその時代を活写できればと考えています。
(引用:NHK公式サイト)
『麒麟がくる』に込められた意図
未来が見えず混迷した16世紀。
光秀が生きた時代です。
しかし、この現代でも多くの日本人が同じように感じています。
従来の価値観が崩壊し、新たな道を模索する光秀の生き様を通して、2020年という節目の年、新たな時代を迎えるすべての日本人に希望と勇気を与える物語を。
懸命に希望の光を追い求めた光秀、そして多くの英傑たちの志を描いたエネルギッシュな群像劇。
世の中が待ち望む新時代の到来を、『麒麟』になぞらえて描かれています。
まとめ
大河ドラマではとりわけ人気の高い戦国時代。
とはいえ歴史上の人物は、時代によってイメージを変えていきます。
新しい史料や研究が続けられていれば当然の事ですね。
ただ、物語にしたときに表から見た人物像と、裏側から見た人物像というのがあるのも事実。
誰を主人公にするかによっても、描かれ方は様々です。
明智光秀はその最たる人物です。
なんといっても主君・織田信長を裏切った謀反人というレッテルを貼られたまま400年ですからね。
しかし、最近では勇猛果敢かつ理知的な天才・明智光秀という人物像に姿を変えつつあります。
このドラマを通して、本能寺の変での信長、光秀の関係を今一度見直すことで、大きな歴史解釈の転換点となるのではないかと感じています。
さぞかし光秀さんも喜んでおられるのではないでしょうかね^^
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