2019年 いだてん

【いだてん】熊本弁ってかわいいけど難し~!熊本ことば語句と用法

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2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」。
日本のオリンピックの歴史をたどる、大河ドラマとしては実に33年ぶりの近代史です!

 

そして、このドラマの主人公の一人である中村勘九郎さん演じる金栗四三(かなくりしそう)は、日本で始めてオリンピックに出場した人物。

この金栗四三の出身地が熊本県ということで、第2回「坊っちゃん」から舞台は熊本へ。
四三の幼少期(子役に味がある!)や当然家族が登場し、熊本弁が飛び交うこととなります。

 

熊本弁といえば「かわいい」ともっぱらの評判。
有名企業の調査では「かわいい方言ランキング」は堂々の第2位です!

ところが・・・

この熊本弁が、ちょっと難しやしないかい?
と言う声がちらほら聞こえてきます。

しかも、熊本出身の方からは「こんな言葉は使わない」という指摘も・・・。

 

これはどうしたことかと調べたところ、どうやら当時(明治時代)の言葉に近づけるため、最近ではあまり使われない古くからの「熊本ことば」が多く登場しているようなのです。

 

確かにドラマに登場する熊本弁は難しい・・・。

イントネーションなどは別として、意味が見当もつかない言葉もたくさん出てきます。
特に難しい言葉には、ドラマの中でナレーション(ビートたけし・森山未来)で解説されたりしますが・・・。

 

この記事では、ドラマに登場する熊本ことばと意味をまとめています。

 

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ドラマと関係の深い「熊本ことば」語句と使い方

綾瀬はるかさんが歌っている熊本ことばでの替え歌。
さて、ドラマではどのような熊本ことばが登場するのでしょうか。

 

ア行

あど:かかと

「金栗!あどは上げて走らんか!」
(金栗!かかとを上げて走りなさい!)

あど、洗いなっせ」
(かかとを洗いなさい)

 

あとぜき:ドアや窓を開けたあと閉めること

「ちゃんとあとぜき!」
(ちゃんと閉めなさい!)

 

あらくたましか:荒々しい・乱暴

「あいつぁ、あらくたましか~
(あいつは乱暴だな~)

 

いっちょん:全然、まったく、一つも

「安仁子さんの英語は速かけん、いっちょんわからん」
(安仁子さんの英語は早いので、まったく分かりません)

 

ええくらう(ええくりゃー):酔っ払う(酔っ払い)

「酒に弱かけん、もうええくらいました」
(酒に弱いので、酔っ払いました)

ええくりゃーは戻んなっせ」
(酔っ払いは帰りなさい)

 

おろよか:良くない・新しくはない

「こらぁ、おろよかばい」
(これは良くないよ)

 

おひめさん:ものもらい

「目のかゆいと思ったら、おひめさんできとった」
(目がかゆいと思ったら、ものもらいができてた)

 

おもさん:思う存分・たくさん

「たごば作ったけん、おもさん食うてはいよ」
(だんご作ったので、思う存分食べてください)

おもさん食べなっせ」
(たくさん食べなさい)

 

おろよか:できがよくない・新しくはない

「安か足袋は、やっぱおろよかねぇ」
(安い足袋は、やっぱり良くないねぇ)

 

おんなさる:居られる・いらっしゃる

おんなさるですか?」
(居られますか?}

 

カ行

かたる:仲間に加わる

「一緒にかたらんかね?」
(一緒に加わらない?)

 

がっぱっする(がっぱり):がっかりする(がっかり)

がっぱっしたね
(がっかりしたね)

 

がまだす:頑張る・働く・精を出す

「四三!がまだせ!
(四三!がんばれ!)

「あぁたがたは、よう がまだしなはるな」
(あたながたはよく働きますね)

 

サ行

さしより:とりあえず・当面

さしよりこれば着よんなっせ」
(とりあえずこれを着ておきなさい)

 

しかぶる:尿などを漏らす

「金栗君がしかぶらした!」
(金栗君がお漏らししました!)

 

しゃんむり:無理矢理・絶対

しゃんむりでん、帰ってこいて」
(無理やりにでも、帰ってこいって)

「しゃんむり行かんといかんとな」
(絶対に行かなければならないんだね)

 

すいとる:好き

「おるは、〇〇さんのことすいとるけん」
(俺は〇〇さんことが好きだから)

 

すーすーすっ:ひんやりする

「足のすーすーすっ
(足がひんやりする)

 

ずんだれる(ずんだれ):だらしない(だらしない人)

ずんだれて!ちゃんとせれ!」
(だらしない!ちゃんとしなさい!)

 

せからしか:忙しい・うるさい・面倒くさい

「美川君、せからしか!」
(美川君、うるさい!)

 

タ行

たまがる:ビックリする・驚く

「足が速かったけんたまがった!」
(足が速かったからびっくりした!)

 

つんなう:一緒に行く

「そんなら つんなおか
(それなら一緒にいこうか)

 

どぎゃんもこぎゃんも:どうにもこうにも

「そぎゃんこと言うなら、どぎゃんもこぎゃんもでけん」
(そんなこと言ったら、どうにもこうにもできない)

 

どげだっか:こってりしている・しつこい・どぎつい

「この店のラーメンはどげだっかね」
(この店のラーメンはこってりしてるね)

 

とつけむにゃあ:とんでもない・途方もない

「四三はやっぱとつけむにゃあ男ばい」
(しぞうはやっぱりとんでもない男だな)

 

ナ行

ぬしゃー:お前は・あなたは

ぬしゃー、なんばしよっとか!」
(お前は何をしているんだ!)

 

ねまる:腐る・話がもつれる

「こら ねまっとるたい」
(これは腐っているよ)

 

飲みかた:飲み会

「今夜は飲みかたで遅くなるけん」
(今夜は飲み会で遅くなるから)

 

ハ行

はいよ:ください・頂戴

「こるば はいよ
(これをください)

 

ほがす:穴を開ける(掘る)

「ここに穴ばほがしとって」
(ここに穴を掘っておいて)

 

マ行

みみご:耳垢

みみご取ってやるけんおいで!」
(耳あか取ってやるからおいで)

 

むぞらしか:かわいい・可愛らしい

「あーたは、そーんむぞらしか人ね」
(あなたは可愛らしい人ですね)

 

もっこす(肥後もっこす):頑固者・偏屈者

「実次は肥後もっこすだけん、しょんがなかよ」
(実次は頑固者だからしょうがないよ)

 

ヤ行

よけ:休み・休憩

よけだけん、よこわんと」
(休日だから、休まないと)

 

ワ行

わさもん:新しもの好き

「嘉納先生はわさもんだけんね」
(嘉納先生は新しもの好きだからな)

 

わるごろ:悪ガキ(手に負えない子ども)

「四三はわるごろだったばってん、よか男になったね」
(四三は悪ガキだったけど、いい男になったね)

 

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「いだてん」熊本ことば指導・志水正義さん(享年60)

「いだてん」第2回の熊本ことば指導者のお一人として、志水正義さんの名前がオープニングにクレジットされました。

志水正義さんと言えば、ドラマ「相棒」シリーズの大木長十郎刑事役で知られています。
しかし先日、番組ツイッターによりこのような投稿が・・・

 

「いだてん」では、志水さん指導の思い入れのこもった熊本ことばを、じっくり味わい深く拝聴したいと思います。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

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まとめ

大河ドラマの主人公ゆかりの地、その風景や史跡をそのままドラマの実際にロケ地として見られるシーンはたくさんあります。

そして、そこに方言や言葉も重なり、その地域の当時の風土や習慣などを垣間見れることは、大河ドラマを見る上での醍醐味でもあります。

 

筆者が特に注目しているのは、綾瀬はるかさん、宮崎美子さん、子役のふたりです。

綾瀬はるかさんに関しては、「八重の桜」での会津弁が可愛すぎでした!
今回の熊本弁も期待です。

宮崎美子さんはなんといっても熊本市出身!
ネイティブな熊本弁が聴けること間違いなしです。

そして金栗四三の幼少期を演じている子役の二人は、なんと1500人からオーディションで選ばれた演技経験のない少年たち。
自然で素朴な熊本の少年を演じ、登場した第2話では「よかった!」「素の演技にもらい泣きした」といった視聴者が多く、大変話題になっていました。

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毎回のことですが、回を追うごとに方言が耳になじんできます。
この「いだてん」の熊本弁も、物語の行方と共にじっくり味わっていきたいものです。

 

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